日本は幾つもの外国銀行があり、その多くは外国為替ディーリング業務が収益のメインになっているとされています。そして、日本の外国為替取扱高に占める外国銀行のパーセンテージも高くなっています。外国為替公認銀行である邦銀の日本での貸出し額のシェアや、預金高のシェアからも、外国為替ディーリングにおける外国銀行の存在の大きさが推測できます。
これには、ある歴史的背景が関わっています。外国為替ディーリング業務は日本よりも欧米で先に発展し、知識量や人材において欧米の方が勝っていました。そして彼らが日本に進出し、外国為替ディーリングを中心に業務展開をする方針を採ったのです。
邦銀と外銀には特徴に違いがあります。邦銀は本店であることも関係して顧客取引が多いです。自ずとディーリングの手法も顧客中心となります。つまり、顧客為替のカバー取引、またはそのときに自己ポジションを上乗せして差益を取るディーリング手法が一般的です。
一方の外銀は、積極的にリスクを取りながら為替差益を試みるディーリングをするところが多いそうです。したがって、外銀ではたらく外国為替ディーラーの方が、外貨売却等に関するより高い技術が求められるといえるでしょう。
こうした違いは、人事にも現れているといいます。邦銀ではディーリングの仕事に従事するのは数年で、その後は部課に配属されることが多ようですが、外銀では継続的に利益を生み出せる腕のある人は、長い間ディーリング業務を続ける傾向があるといいます。