顧客相場の決まり方とは
みなさんが外貨売却やトラベラーズ・ チェックの売買をしに銀行へ行くと、外国為替レートを表示しているボードや表を目にすることがあると思います。ここに表示されているレートは基本的に一日中変わらず、これが銀行と取引する際の顧客相場になるのです。
しかし、銀行間市場では朝から絶えず外国為替レートが変動しています。このように変動する外国為替レートの午前10時頃の値を「中値」といい、顧客相場のベースとなります。
具体的に説明しますと、ある日の午前10時頃の銀行間市場の外国為替レートが130円20銭だった場合、この130円20銭が中値となり、これに1円加えた131円20銭を電信売り相場 (TTS)、中値から1円マイナスした129円20銭を電信買い相場(TTB)として銀行は顧客相場を建てます。
電信売り相場は、みなさんが銀行から外国為替を買うときの、 電信買い相場は銀行に外国為替を売るときのレートということです。中値に1円加減していますが、これは銀行に対する手数料のようなものです。したがって、銀行間市場のレートが中値から1円以上変動したときは、原則として顧客相場は市場連動制となり、その時々の銀行間市場の実際のレートに基づいて決まります。
この顧客相場は、小口のお客さんに適用されるのが基本で、大口のお客さんとの取引は常ににその時点での銀行間市場のレートが使われます。 顧客相場は現在では自由化されていて、各銀行が独自に決めることもできます。
通貨の顧客相場は銀行によって変わりますので、 通貨に応じて銀行を選ぶことが大切です。