通例、手付金は現金手渡しで支払われるケースが多くなっています。物件価格の数%とは言え、かなりの高額に違いありませんので、意外に思われるでしょう。
手付金には、売買契約の締結を証明する金銭のやり取りという側面があります(証約手付)。売買契約の成立を意味する手付金のやり取りなのですから、契約成立と同時に支払うのが原則です。振込は、即時に入金処理がなされるわけではないということを、よく知っていると思います。月々の支払いの際などに、土日をまたぐ場合や平日の夜に振り込みを行う場合の、入金の反映タイミングについて考えたことが、一度はあるのでないでしょうか。
振込は、売買契約時に行っても、反映に時間がかかってしまう。いくら契約締結と同時に、即座入金したとしても、金曜日の夜遅くであったならば、翌週月曜日まで、実際には支払いが行われたことにはならないのです。
手付金は現金で用意することになるものと、考えておいた方が良いでしょう。こちらも経験があるかもしれませんが、コンビニのATMには、1日に引き出し可能な限度額というものが定められています。大抵は数十万円です。不動産投資の手付金となると数百万円からの金額となります。そのような高額の現金を手元に置くわけですから、行き当たりばったりに、前日に用意しようとして、限度額の制限のために準備が間に合わない……そのような、言葉が悪いですが、下らないミスは起こさないようにするべきでしょう。多額の現金のやり取りにおいて、準備のしすぎということはあり得ません。