先物相場はどのように決まるのか
外貨売却や外貨購入が行われる外国為替市場の相場を決定する銀行間市場では、直物相場の取引とスワップレート(SWAP RATE)の取引が行われています。先物相場の取引が直接、行われているわけではないことに注意してください。
この先物相場がどのように計算されているのかというと、スワップレートをもとにして数字がはじき出されています。スワップとは、受け渡し日が違う反対方向の為替の売買を一緒に行うことです。その際、直物相場と先物相場には差がありますから、この差がスワップレートとなっているわけです。たとえば、ドル/円の直物相場が150円20銭で、3ヶ月のスワップレートが1円30銭のプレミアムである場合で考えてみましょう。ドル/円の3ヶ月先物のレートは、150円20銭に1円30銭を加えた151円50銭となります。
プレミアムとは、ドルが円に対して先物の値が直物よりも高くなることをいい、その反対はディスカウントといいます。したがって、スワップレートが1円30銭のディスカウントだとすると、3ヶ月の先物相場は150円20銭から1円30銭をマイナスした148円90銭になるということです。つまり、ドルが148円90銭である先物で150円20銭である直物よりも下がっている状態です。
以上のように、外国為替市場における先物取引の相場は、市場に参加している人々の予想値から計算されるものではありません。その時点での二つの通貨の金利差から算出されるスワップレートを足したり引いたりすることで決定されます。