改竄防止包装の事例
食品に有害物質が混入するのを防ぐためには、開封の痕跡が残るような包装容器を開発しなければなりません。これまでに開発された改竄防止包装の中にも、優れた容器が幾つか存在します。例えば、ピルファープルーフキャップはよく知られています。開封時、ブリッジが破断するため、未開封かどうかが一目で分かる優れものです。また、キャップの周囲をシュリンクしたプラスチックフィルムで覆ったものもよく見かけます。開封するにはそのフィルムを破り捨てる必要があるため、新品であれば必ずフィルムがそのまま残っています。さらに、空気が充填された袋状のものも、内部からの圧力で未開封かどうかを知ることが出来ます。基本的に密封された袋状の包装は、開封するために破壊しなければならず、新品かそうでないかが一目瞭然なのです。
改竄防止包装は、開封箇所のみを指す概念ではありません。例えば、使われている材質も大いに貢献しています。外部から穴をあけようとすると、相当な弾力で押し返すような素材が使われたりします。このような素材を万一突き破ると、目立った痕跡が必ず残るのです。また内容物が漏れ出すようにも設計されており、消費者が誤って購入するのを防いでくれます。
ところで、改竄防止包装には悪意のある開封を躊躇わせる働きはもちろんのこと、正当に手に入れた消費者にとっては開けやすい機能が求められます。高齢者や障害者でも開けられるように、複雑な手順を強いるような容器は避けなければなりません。一方保管中、何かの拍子に開いてしまうようでも困ります。また、小さな子どもが誤って開けてしまうのも防がなければなりません。