NOI(営業純利益)を算出しよう
まずは全ての判断の最初の材料となる数値、NOI(営業純利益)を正確に導き出
しましょう。ここに誤りがあっては、これ以降の全てのリサーチや計算が全くの無駄になってしまう可能性があります。
例をあげながら、NOI算定の練習をしてみましょう。
まず、想定される収入をカテゴリーごとに書き出してみましょう。
家賃総額:\4200,000
空室率(7%)を差し引いた実質の家賃収入:\3906,000
家賃以外の収入:\48,000
下二つの合計が、総収入です。
\3906,000+\48,000=\3954,000
さらに、前年度の実績は\4100,000でした。
続いて、支出を計算します。
修繕費:\800,000
水道代・光熱費:\320,000
税金:\340,000
保険料:\120,000
総支出は
\800,000+\320,000+\340,000+\120,000=\1580,000
前年度実績は\1450,000でした。
総収入が\3954,000、総支出は\1580,000です。NOI(営業純利益)は収入から支出を差し引けば良いので、
\3954,000-\1580,000=\2374,000
となります。
これが、あなたが独自のリサーチと自分自身の判断や専門家の意見を考慮して得た、NOIということになります。あなたの見込みでは、営業純利益は\2374,000ということになりました。
収入と支出のそれぞれの計算の最後に、前年度の実績を追記しました。この場合、この額が、広告が謳う事業計画シミュレーションの提出する収支の額と一致していたものとします。
広告が提案する通りのNOI、営業純利益はどれほどのものでしょうか。
前年度実績は、収入が\4100,000で、支出は\1450,000でした。NOIは収入マイナス支出ですので、
\4100,000-\1450,000=\2650,000
となります。
あなたの予想するNOIは\2374,000、広告通りのNOIは\2650,000。後者の方が、\276,000も大きい。
つまり、あなたが十分なリサーチを行わず、広告を信じて購入した場合、20万円を超える誤差が、それも少なく生じてしまうのです。